こんにちは!
「防災ラボる」です。
大地震や台風、大雨、大雪などによって電車やバスが止まると、
勤務先や外出先から自宅へ帰れない「帰宅困難者」になることがあります。
家族や自宅が心配になると、一刻も早く帰りたくなるでしょう。
しかし、道路の安全が確認できないまま大勢の人が一斉に移動すると、
落下物、火災、津波、洪水、土砂災害などに巻き込まれる危険があります。
道路の混雑によって、
救急車や消防車などの緊急車両が通れなくなる可能性もあります。
防災すぐるパパ
電車が止まったら、歩いてでも家に帰らなければいけないと思っていたよ。
まどかママ
子どものことが心配だから、私もすぐに迎えに行ってしまいそう。
らぼる君
家族が心配なのは当然だよ。
でも、危険な状況では
「帰らずに安全な場所へとどまる」ことも大切な防災行動なんだ。
今回は「防災ラボる」のらぼる君が、帰宅困難者になったときの対策を災害ごとに解説します。
- 帰宅困難者とは?
- 基本原則は「むやみに移動を開始しない」
- 「その場にとどまる」と「避難する」を使い分ける
- 避難場所と一時滞在施設の違い
- 帰宅せずに待機できる場所
- 災害ごとに帰宅困難者の行動は変わる
- 地震で帰宅困難者になった場合
- 津波のおそれがある場合
- 台風・暴風で帰宅困難者になった場合
- 大雨・洪水・内水氾濫の場合
- 土砂災害のおそれがある場合
- 大雪・吹雪で帰宅困難者になった場合
- 火山噴火・降灰で帰宅困難者になった場合
- 交通機関がまひしたとき、タクシーやバスを待つべき?
- タクシーやバスを待つ時間にできること
- 駅の周辺に集まり続けない
- 徒歩帰宅を選んでもよい条件
- 災害時帰宅支援ステーションとは?
- 子どもや家族が心配でも無理に迎えに行かない
- 外出時に持っておきたい帰宅困難者対策用品
- 帰宅する前の安全確認チェックリスト
- 帰宅困難者にならないための事前準備
- まとめ|帰宅することより命を守ることを優先しよう
帰宅困難者とは?
帰宅困難者とは、
地震などの災害によって鉄道やバスなどの交通機関が停止し、
自宅へ帰ることが難しくなった人のことです。
次のような人が帰宅困難者になる可能性があります。
- 会社や学校にいる人
- 買い物や通院で外出している人
- 旅行や出張中の人
- 駅や空港で移動中の人
- 電車やバスの車内にいる人
- 自宅から遠い場所で働いている人
- 観光地を訪れている人
帰宅困難者という言葉は大都市だけの問題と思われがちですが、
地方でも電車、バス、道路が止まれば発生します。
台風や大雪による計画運休、道路の通行止め、土砂崩れ、橋の損傷などによって、
普段は短時間で帰れる距離でも帰れなくなる可能性があります。
基本原則は「むやみに移動を開始しない」
まどかママ
電車が動かないなら、早いうちに歩き始めたほうがよくない?
らぼる君
周辺の被害や帰宅ルートの安全が分からない段階で動くほうが危険なこともあるよ。
大規模地震の発生直後は、まず現在いる場所で身の安全を確保します。
内閣府などが進める帰宅困難者対策では、
大規模地震の発生後、救命・救助活動が優先されるおおむね72時間について、
「むやみに移動を開始しない」という一斉帰宅抑制が基本とされています。
これは、「全員が必ず3日間同じ場所にいなければならない」
という単純な決まりではありません。
現在地、建物の安全性、周辺火災、津波や浸水の危険、家族の事情、
行政や勤務先からの案内などを確認し、
危険な一斉移動を避けるという考え方です。
「その場にとどまる」と「避難する」を使い分ける
「無理に帰らない」とは、危険な場所に居続けることではありません。
現在いる建物が安全であればとどまり、
危険なら近くの安全な場所へ避難します。
その場にとどまる条件
- 建物の安全が確認されている
- 火災や煙が迫っていない
- 津波や洪水の浸水区域ではない
- 土砂災害の危険がない
- 管理者から待機するよう案内されている
- 水、トイレ、情報を確保できる
- 周囲に倒壊や落下物の危険がない
すぐに移動すべき条件
- 建物に大きなひび割れや傾きがある
- 天井や外壁が落下している
- 火災や煙が迫っている
- 海岸や川沿いで津波のおそれがある
- 地下街や低い土地で浸水のおそれがある
- 崖や急斜面の近くで土砂災害のおそれがある
- 施設管理者や行政から避難を指示された
この場合の移動先は、必ずしも自宅ではありません。
危険から逃れるための最寄りの指定緊急避難場所、
高台、津波避難ビル、一時滞在施設などを選びます。
避難場所と一時滞在施設の違い
帰宅困難者が利用できる施設には、いくつかの種類があります。
目的を間違えると、
目的地へ着いても受け入れてもらえない場合があるため注意しましょう。
| 施設・場所 | 主な目的 | 注意点 |
|---|---|---|
| 指定緊急避難場所 | 災害の危険から命を守る | 災害の種類ごとに指定が異なる |
| 指定避難所 | 自宅で生活できない住民が滞在する | 帰宅困難者用とは限らない |
| 一時滞在施設 | 行き場のない帰宅困難者を一時的に受け入れる | 開設情報と受け入れ可否の確認が必要 |
| 災害時帰宅支援ステーション | 徒歩帰宅者へ水道水、トイレ、道路情報などを提供 | 宿泊場所ではない場合が多い |
| 勤務先・学校 | 従業員や生徒を安全に待機させる | 建物が安全であることが前提 |
| ホテル | 宿泊や一時待機 | 必ず受け入れるとは限らない |
| 駅・空港 | 運行情報を得る場所 | 長時間滞在できるとは限らない |
「学校だから避難できる」
「ホテルだから泊めてもらえる」
とは限りません。
自治体や施設の公式情報を確認してください。
帰宅せずに待機できる場所
会社・勤務先
勤務中に被災し、建物が安全であれば、
会社にとどまることが第一の選択肢になります。
会社には次の利点があります。
- 屋内で風雨を避けられる
- 同僚と助け合える
- トイレや水を利用できる可能性がある
- 会社の備蓄品を利用できる
- テレビやラジオなどで情報を得られる
- 家族へ安否情報を伝えられる可能性がある
ただし、建物の安全点検が終わるまでは、
窓、書棚、照明器具、外壁などから離れます。
会社側には、
従業員が数日間待機できる水、食料、携帯トイレ、毛布などの備蓄が求められます。
自分でも机やロッカーに最低限の用品を備えておきましょう。
一時滞在施設
一時滞在施設は、買い物客や観光客など、
勤務先や学校といった待機場所がない帰宅困難者を一時的に受け入れる施設です。
自治体の庁舎、ホール、学校、大学、民間ビルなどが指定される場合があります。
ただし、事前に指定されている施設でも、次の理由で開設されないことがあります。
- 建物が被災している
- 火災や浸水の危険がある
- 受け入れ準備が整っていない
- すでに定員へ達している
- 周辺道路が危険
- その災害には適さない施設である
発災直後に施設へ押しかけるのではなく、自治体、駅前の案内、
施設管理者などから開設情報が発信されてから移動しましょう。
公共施設
自治体庁舎、公民館、文化施設、体育館、図書館、学校などが、
一時滞在施設や避難所として開設される場合があります。
ただし、すべての公共施設が自由に利用できるわけではありません。
災害の種類と開設状況を確認してください。
特に洪水時には、
低い場所にある体育館や公民館が適さない場合があります。
ホテル・宿泊施設
営業できるホテルに空室があり、
安全が確認されていれば、宿泊する方法があります。
出張先や旅行先では、
歩いて帰宅しようとするよりホテルに滞在したほうが安全な場合があります。
ただし、ホテルには次の制約があります。
- 満室になる可能性がある
- 停電や断水で営業できないことがある
- 建物の安全確認に時間がかかる
- 通常の宿泊料金が必要になる場合がある
- 帰宅困難者を無条件で受け入れるとは限らない
- ロビーを自由な避難場所として利用できるとは限らない
一部のホテルは自治体と協定を結び、
一時滞在施設として開設される場合があります。
必ずホテルや自治体の案内に従いましょう。
駅・空港・商業施設
駅や空港では、運行情報や一時滞在施設の案内を得られる可能性があります。
ただし、多くの人が集まるため、混雑、将棋倒し、転倒などの危険があります。
駅構内の安全が確認できない場合や入場規制が行われている場合は、
無理に中へ入らないでください。
大型商業施設も、
建物の安全確認や閉館のため退去を求められることがあります。
災害ごとに帰宅困難者の行動は変わる
地震で帰宅困難者になった場合
地震発生直後は、電車が止まってもすぐに歩き始めないことが基本です。
地震直後にすること
- 机の下などで頭を守る
- 揺れが収まるまで動かない
- 落下物や割れたガラスに注意する
- 火災、津波、建物被害を確認する
- 施設管理者の指示を聞く
- 家族へ簡潔に安否を伝える
- 鉄道や道路の公式情報を確認する
- 建物が安全ならその場で待機する
地震後に歩いて帰る危険
地震後の道路には、次の危険があります。
- 割れたガラス
- 落下する看板や外壁
- 倒壊したブロック塀
- 切れた電線
- 道路の陥没
- 橋の損傷
- 火災と煙
- 大勢の歩行者による混雑
- 夜間の停電
- トイレや飲料水の不足
自宅までの距離が遠い人は、途中で夜になったり、体力が尽きたりする可能性があります。
消防庁も、夜間は足元が見えにくく、遠距離の徒歩帰宅では時間帯も考えて行動するよう案内しています。
地震時の基本判断
建物が安全なら会社などで待機し、行政や勤務先から帰宅可能との情報が出るまで無理に動かないことが基本です。
ただし、火災、津波、建物倒壊などの危険が迫っている場合は、最寄りの安全な場所へ避難します。
津波のおそれがある場合
海岸、港、河口、川沿いなどで地震に遭い、強い揺れや長くゆっくりした揺れを感じた場合は、帰宅するかどうかを考える前に津波から避難します。
津波時の行動
- 海岸や川から離れる
- より高い場所へ避難する
- 指定された津波避難ビルや高台へ向かう
- エレベーターを当てにしない
- 車ではなく、可能な範囲で徒歩避難する
- 荷物を取りに戻らない
- 家族を探しに海側へ戻らない
- 津波警報・注意報が解除されるまで戻らない
自宅が海側にある場合でも、帰宅してはいけません。
気象庁は、津波警報・注意報を見聞きした場合や海辺で強い揺れなどを感じた場合、海辺から離れ、より高い安全な場所へ避難するよう呼びかけています。
らぼる君のポイント
津波では「自宅へ帰る」ではなく、「より高く安全な場所へ逃げる」が最優先だよ。
台風・暴風で帰宅困難者になった場合
台風はある程度進路や接近時間を予測できるため、
交通機関が止まる前に行動を決めることが重要です。
台風接近前にできること
- テレワークへ切り替える
- 早めに帰宅する
- 会社やホテルに泊まる準備をする
- 鉄道の計画運休を確認する
- 予約しているホテルの営業状況を確認する
- 家族と帰宅しない場合の連絡方法を決める
- 飛行機や新幹線の変更を早めに行う
暴風が始まった後の行動
- 無理に駅へ向かわない
- 屋外を長時間歩かない
- 看板、ガラス、屋根材、街路樹から離れる
- 地下街への浸水に注意する
- 安全な建物内で風雨が弱まるのを待つ
- 橋や海岸沿いを通らない
- タクシーを探して外を歩き回らない
暴風時は、飛来物によって大きなけがをする可能性があります。
交通機関が止まった後に無理に帰ろうとせず、
会社、宿泊施設、安全な公共施設などにとどまりましょう。
大雨・洪水・内水氾濫の場合
大雨時は、普段通れる道路でも急に冠水することがあります。
地下街、地下駅、アンダーパス、川沿い、低い土地は特に注意が必要です。
大雨・洪水時の行動
- 地下から地上や安全な上階へ移動する
- 川や用水路を見に行かない
- 冠水した道路へ入らない
- アンダーパスを通らない
- マンホールや側溝付近を歩かない
- 浸水区域を横切って帰宅しない
- 自治体の避難情報を確認する
- すでに移動が危険なら建物の上階で安全を確保する
水が浅く見えても、流れが速ければ足を取られる可能性があります。
水面下の側溝、穴、障害物も見えません。
タクシーやバスが来たとしても、
予定する道路が冠水・通行止めになっていないか確認が必要です。
らぼる君のポイント
大雨では「少しでも早く帰る」より、
「浸水が始まる前に安全な場所へ移る」ことを優先しよう。
土砂災害のおそれがある場合
大雨によって土砂災害の危険が高まっているときは、
崖、急斜面、沢、谷、山沿いの道路を通る帰宅ルートを避けます。
土砂災害時の行動
- 土砂災害警戒区域を確認する
- 崖下や急斜面から離れる
- 山沿いの近道を使わない
- トンネル出口や切り通しに注意する
- 雨が弱くなってもすぐに移動しない
- 土砂災害警戒情報や自治体の避難情報を確認する
- 危険区域外の施設へ早めに移動する
雨が止んでも、地中には水が残り、土砂災害が発生することがあります。
自宅へ向かう道が土砂災害警戒区域を通る場合は、
交通が再開しても道路の安全確認が取れるまで帰宅を見合わせましょう。
大雪・吹雪で帰宅困難者になった場合
大雪や吹雪では、電車やバスの運休だけでなく、
道路の渋滞や車両の立ち往生が発生します。
徒歩で帰ろうとすると、転倒、低体温症、
視界不良による事故などの危険があります。
大雪時の行動
- 安全な建物内で待機する
- 無理に長距離を歩かない
- 滑りやすい靴で移動しない
- 線路沿いや車道を歩かない
- 吹雪の中でタクシーを探し回らない
- 道路状況と運行情報を確認する
- ホテルに空室があれば宿泊を検討する
- 防寒着、手袋、帽子を着用する
- 濡れた服や靴下を交換する
大雪時はタクシーや代行車も渋滞や立ち往生に巻き込まれる可能性があります。
「車なら帰れる」とは限りません。
気象庁と国土交通省は、大雪が予想される地域ではテレワークも含め、
不要不急の外出を控えるよう案内しています。
火山噴火・降灰で帰宅困難者になった場合
火山噴火では、噴石、火砕流、降灰など、火山との距離によって危険が異なります。
大量の火山灰が降ると、鉄道や道路が止まり、
視界不良やスリップによって交通機関が長期間まひする可能性があります。
噴火・降灰時の行動
- 火口周辺規制や避難指示に従う
- 噴石の危険がある場所から離れる
- 頑丈な建物の中へ入る
- 降灰中の外出を控える
- マスクや布で鼻と口を覆う
- 眼鏡やゴーグルで目を守る
- コンタクトレンズの使用を避ける
- 車による移動を控える
- 火山灰が積もった道を無理に歩かない
- 気象庁、自治体、交通機関の情報を確認する
火山灰は細かく、目や呼吸器に影響します。
見通しが悪くなり、道路ではスリップしやすくなるため、
無理な徒歩帰宅や車移動を避けましょう。
桜島など日常的に降灰がある地域でも、
大規模噴火時は普段の降灰とは状況が大きく異なる可能性があります。
交通機関がまひしたとき、タクシーやバスを待つべき?
防災すぐるパパ
電車が止まったら、タクシー乗り場に並んで待てば帰れるかな?
らぼる君
復旧や到着の見込みがないまま、危険な屋外で何時間も待つのは避けよう。
災害時にはタクシー乗り場やバス停へ多くの人が集まります。
しかし、道路が渋滞・冠水・損傷していれば、
車両が来ない可能性があります。
長時間並び続けることには、次の危険があります。
- 余震による落下物
- 暴風雨や飛来物
- 熱中症
- 低体温症
- 群集事故
- トイレを利用できない
- スマートフォンの電池切れ
- 体力の消耗
- 夜間の治安や転倒事故
- 列を離れられなくなる心理的負担
待つ前に確認すること
- タクシーやバスは実際に運行しているか
- 道路は通行できるか
- 到着見込みが公式に案内されているか
- 行き先まで運行可能か
- 待機場所は安全か
- 屋内へ移動できるか
- トイレや水を確保できるか
- 日没や天候悪化までに乗れる見込みがあるか
見通しがない場合は、列に並び続けるより、
安全な待機場所を探すほうがよい場合があります。
タクシーやバスを待つ時間にできること
自分がいる場所の安全を確認する
最初に、現在地の災害リスクを確認します。
- 津波浸水区域ではないか
- 洪水浸水想定区域ではないか
- 土砂災害警戒区域ではないか
- 建物や看板が落下しそうではないか
- 火災や煙が近づいていないか
- 地下に水が入り始めていないか
危険があるなら、交通待ちを中止して安全な場所へ避難します。
公式の運行情報を確認する
確認する情報源は次のとおりです。
- 鉄道会社の公式サイト・アプリ
- バス会社の公式サイト
- 自治体の防災情報
- 気象庁の防災情報
- 駅や施設の館内放送
- テレビ・ラジオ
- 交通情報サービス
SNSの投稿は参考になることがありますが、
古い情報や誤情報が含まれる可能性があります。公式情報と照合してください。
一時滞在施設の開設情報を調べる
自治体の防災サイトや駅前の案内から、
受け入れを開始した一時滞在施設を確認します。
施設名だけを見て移動せず、次の点を確認しましょう。
- 開設済みか
- 現在地から安全に行けるか
- 受け入れ対象者に該当するか
- 定員に達していないか
- その災害に対応した場所か
家族へ安否を伝える
電話が集中するとつながりにくくなります。
短いメッセージで、次の情報を伝えましょう。
- 自分は無事である
- 現在いる場所
- しばらく会社や施設で待機する
- 無理に迎えに来ないでほしい
- 次に連絡する予定時刻
災害用伝言ダイヤル171、携帯電話会社の災害用伝言板、SMSなども活用します。
「駅にいる。無事。会社へ戻って待機する。迎え不要。
次は20時に連絡」のように簡潔に伝えると、通信量と電池を節約できます。
スマートフォンの電池を節約する
- 画面の明るさを下げる
- 低電力モードにする
- 不要なアプリを終了する
- 動画の視聴を控える
- 情報確認の時間を決める
- 家族への連絡を短くする
- モバイルバッテリーを使用する
- 圏外での長時間の電波検索を避ける
ただし、緊急速報を受け取れる設定は維持しましょう。
水・食料・トイレを確保する
長時間待つ可能性があるなら、早めにトイレの場所を確認します。
飲食物が手に入っても、一度に消費せず、
交通再開の見込みを考えながら分けて使いましょう。
店舗に人が殺到している場合は、
無理に列へ加わらないことも大切です。
靴と服装を整える
徒歩での移動が必要になる可能性に備えます。
- 靴ひもを締め直す
- ハイヒールを歩きやすい靴に替える
- 雨具を準備する
- 夜間は反射材やライトを使う
- 冬は首・手・頭を保温する
- 荷物を背負い、両手を空ける
ただし、準備したからといって、すぐ歩き始める必要はありません。
帰宅ルートの危険を確認する
地図アプリだけでなく、ハザードマップや道路情報も確認します。
- 川や橋を通るか
- 海岸沿いを通るか
- 崖や山道があるか
- アンダーパスがあるか
- 火災地域を通るか
- 通行止めがあるか
- 休憩できる場所があるか
- 日没までに到着できるか
最短ルートが最も安全とは限りません。
駅の周辺に集まり続けない
交通機関が止まると、多くの人が駅へ向かいます。
しかし、駅員が運転再開時刻を把握できていない段階で駅に集中すると、
通路や広場が混雑し、転倒や群集事故が起こる可能性があります。
駅でしてはいけないこと
- 改札へ無理に押し寄せる
- 線路や立入禁止区域へ入る
- シャッターや非常口の前に座る
- 階段や通路をふさぐ
- 駅員へ同じ質問を繰り返す
- 不確かな再開情報を拡散する
- 駅構内で勝手に充電する
- 危険な屋外で始発まで待つ
勤務先に戻れる場合は、駅前にとどまるより、会社へ戻って安全に待機することを検討します。
徒歩帰宅を選んでもよい条件
周辺の安全が確認され、行政、勤務先、
交通機関などから移動可能な情報が出た後は、
徒歩帰宅を検討できます。
徒歩帰宅を検討できる条件
- 帰宅ルートの安全が確認されている
- 火災や津波、浸水、土砂災害の危険がない
- 日中に移動できる
- 自宅までの距離が現実的
- 体調に問題がない
- 歩きやすい靴がある
- 水、軽食、地図、ライトを持っている
- 家族や勤務先へ行動予定を伝えている
- 途中の休憩場所を把握している
- 単独行動を避けられる
徒歩帰宅を中止すべき条件
- 夜間になった
- 大雨や大雪、暴風が続いている
- 余震や火災が発生している
- 道路情報が確認できない
- 自宅まで遠すぎる
- 体調が悪い
- 靴が歩行に適していない
- スマートフォンの電池がほとんどない
- 水や防寒具がない
- 津波・洪水・土砂災害区域を通る
徒歩で移動し始めても、
状況が悪化したら引き返すか、
近くの安全な施設で待機してください。
災害時帰宅支援ステーションとは?
地域によっては、
コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、飲食店などが
「災害時帰宅支援ステーション」として指定されています。
可能な範囲で、次のような支援を受けられる場合があります。
- 水道水の提供
- トイレの利用
- 道路情報の提供
- 一時的な休憩場所の提供
ただし、災害時帰宅支援ステーションは、
原則として宿泊施設ではありません。
施設自体が被災している場合、水道が止まっている場合、
従業員の安全を確保できない場合などは、
支援を受けられないことがあります。
平常時に自治体のホームページで、
地域のステッカーや対象店舗を確認しておきましょう。
子どもや家族が心配でも無理に迎えに行かない
まどかママ
子どもが学校にいたら、やっぱりすぐ迎えに行きたいわ。
らぼる君
学校や保育施設の引き渡しルールを、平常時に確認しておくことが大切だよ。
学校、保育園、幼稚園などは、災害時の引き渡し方法を定めている場合があります。
保護者が危険なルートを無理に移動すると、
保護者自身が被災し、
子どもの迎えがさらに遅れる可能性があります。
事前に次の点を確認しましょう。
- 災害時は施設内で保護されるのか
- どの災害で引き渡しになるのか
- 引き渡し可能な家族は誰か
- 連絡がつかない場合はどうなるか
- 代理人による迎えは可能か
- 津波や洪水時の避難先はどこか
- 保護者が帰宅困難になった場合の対応
「自分が迎えに行けなければ子どもが一人になる」と思い込まず、
施設のルールを確認しておくことが重要です。
外出時に持っておきたい帰宅困難者対策用品
毎日の通勤バッグへ大量の防災用品を入れる必要はありません。
小さなポーチに最低限をまとめましょう。
最低限の持ち物
- スマートフォン
- 小型モバイルバッテリー
- 充電ケーブル
- 少額の現金と小銭
- 飲料水
- 栄養補助食品
- 常用薬
- マスク
- 携帯トイレ
- 小型ライト
- ホイッスル
- ウェットティッシュ
- 緊急連絡先メモ
- 小さなポリ袋
会社のロッカーに置きたいもの
- 歩きやすい靴
- 靴下
- 雨具
- 防寒着
- 水と非常食
- 携帯トイレ
- ヘッドライト
- モバイルバッテリー
- 手袋
- 簡易寝具
- タオル
- 歯磨き用品
- 地図
女性の場合は生理用品、
高齢者や持病のある人は薬や医療情報、眼鏡なども必要です。
帰宅する前の安全確認チェックリスト
帰宅を開始する前に、次の項目を確認してください。
- 今いる建物の安全が確認されている
- 行政や交通機関の公式情報を確認した
- 津波警報が発表されていない
- 洪水や土砂災害の危険がない
- 周辺火災がない
- 道路や橋の安全情報がある
- 日中に移動できる
- 自宅まで歩ける距離である
- 体調に問題がない
- 歩きやすい靴を履いている
- 水と軽食を持っている
- ライトと雨具がある
- スマートフォンの電池がある
- 家族へ移動予定を伝えた
- 途中の支援場所を確認した
- 状況が悪化したら中止する覚悟がある
一つでも重大な不安があるなら、その日は帰らず、
安全な施設で待機する方法を検討しましょう。
帰宅困難者にならないための事前準備
家族で「帰らない約束」を決める
災害時に家族が「すぐ帰ってくるはず」と思っていると、
お互いを探しに出てしまう可能性があります。
次のような約束を決めておきましょう。
- 大地震直後は無理に帰宅しない
- 子どもは学校や施設のルールに従う
- 家族を探しに危険な場所へ行かない
- 安否確認は171や災害用伝言板を使う
- 連絡がなくても決めた場所で待機する
- 津波時は各自で高い場所へ逃げる
- 次に連絡を試す時刻を決める
会社の帰宅困難者対策を確認する
- 従業員を何日間待機させる計画か
- 水や食料の備蓄があるか
- 携帯トイレがあるか
- 家族との安否確認方法
- 建物の安全確認方法
- 帰宅開始の判断者
- 来客や取引先も受け入れるか
- 宿泊できる場所があるか
- 災害別の避難場所
- テレワークや早退の基準
会社に備蓄があると思い込まず、自分でも確認してください。
通勤ルートの危険を確認する
- 海岸や川
- 崖や急傾斜地
- アンダーパス
- 古い橋
- 密集市街地
- ブロック塀
- ガラスの多いビル街
- 大規模な工場や危険物施設
- 災害時帰宅支援ステーション
- 一時滞在施設
地図を見るだけでなく、可能であれば平常時に一度歩いて確認しましょう。
まとめ|帰宅することより命を守ることを優先しよう
防災すぐるパパ
家族が心配でも、すぐ歩いて帰るのが正解とは限らないんだね。
まどかママ
会社や一時滞在施設、営業できるホテルで待つことも立派な避難なのね。
らぼる君
そうだよ。家に帰ることが目的ではなく、
家族全員が無事でいることが一番の目的なんだ。
帰宅困難者になったときの基本は、**「むやみに移動を開始しない」**ことです。
災害ごとの重要な判断を整理すると、次のようになります。
| 災害 | 最優先の行動 |
|---|---|
| 地震 | 安全な建物で待機し、一斉帰宅を避ける |
| 津波 | 帰宅せず、直ちに高台や津波避難ビルへ逃げる |
| 台風・暴風 | 屋外へ出ず、安全な建物内で風雨を避ける |
| 大雨・洪水 | 地下や低い土地を避け、安全な上階などへ移動する |
| 土砂災害 | 崖や山沿いを避け、危険区域外へ早めに避難する |
| 大雪・吹雪 | 長距離を歩かず、安全な屋内で待機する |
| 火山噴火・降灰 | 頑丈な建物内に入り、降灰中の移動を控える |
会社、学校、公共施設、一時滞在施設、ホテルなどで安全に待機できるなら、
交通機関の復旧や道路の安全確認を待ちましょう。
ただし、公共施設やホテルが必ず帰宅困難者を受け入れるとは限りません。
自治体や施設から開設・受け入れ情報が出てから行動してください。
タクシーやバスを待つ場合も、
屋外で何時間も並び続けるのではなく、
運行の見込み、道路状況、天候、待機場所の安全を確認します。
その時間を、家族への安否連絡、一時滞在施設の確認、
スマートフォンの節電、水やトイレの確保に使いましょう。
危険な道を無理に帰るより、安全な場所で一晩待つほうが、
家族のもとへ無事に帰れる可能性を高めます。


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