災害時の車中泊は安全?メリット・デメリットと夏・冬の危険対策

災害時の車中泊は安全?メリット・デメリットと夏・冬の危険対策 避難
災害時の車中泊は安全?メリット・デメリットと夏・冬の危険対策

こんにちは。

ラボる君です。

地震や大雨などの災害が発生したとき、
避難所ではなく車の中で過ごす「車中泊」を選ぶ人が増えています。

車中泊が選ばれる理由には、

  • 余震が怖くて自宅に戻れない
  • 避難所の混雑が苦手
  • 乳幼児や高齢者がいる
  • ペットを連れている
  • 感染症が心配
  • プライバシーを確保したい
  • 夜泣きや介護で周囲へ迷惑をかけたくない
  • 避難所の床では眠れない

などがあります。

しかし、車中泊は避難所より自由で快適とは限りません。

夏は熱中症、冬は低体温症や一酸化炭素中毒、
季節を問わずエコノミークラス症候群の危険があります。

また、車を止める場所を間違えると、
洪水、津波、土砂災害に巻き込まれる可能性もあります。

まどかママ
車なら家族だけで過ごせるし、避難所より気楽そうね。

防災すぐるパパ
エンジンをかけてエアコンを使えば、夏も冬も大丈夫じゃないかな?

らぼる君
エンジンのかけっぱなしには、
燃料切れ、排気ガス、一酸化炭素中毒、騒音などの問題があるよ。
車中泊を選ぶなら、危険を知って準備することが大切なんだ。

今回は「防災ラボる」のらぼる君が、災害時の車中泊について、
メリット・デメリット、季節ごとの危険、エンジンや燃料、ソーラー発電、
モバイルバッテリーの活用方法まで解説します。

  1. 災害時の車中泊とは?
    1. 車中泊は災害時の第一選択とは限らない
  2. 災害時に車中泊を選ぶメリット
    1. 家族のプライバシーを確保しやすい
    2. 乳幼児や介護が必要な家族と過ごしやすい
    3. ペットと避難しやすい
    4. 荷物を保管しやすい
    5. 雨風を避けられる
  3. 災害時に車中泊をするデメリット
    1. 車内が狭い
    2. 温度変化が大きい
    3. トイレや水を確保しにくい
    4. 支援情報が届きにくい
    5. エコノミークラス症候群に注意する
    6. 危険が高まりやすい状況
    7. 予防方法
    8. 危険な症状
  4. 夏の車中泊で最も怖いのは熱中症
    1. 夏に車中泊を避けるべき人
    2. 夏の駐車場所
    3. 夏の対策
  5. 夏にエンジンをかけたまま寝てもよい?
  6. 冬の車中泊は低体温症に注意する
    1. 冬に必要なもの
    2. 使い捨てカイロの低温やけど
  7. 雪の中でエンジンをかけると一酸化炭素中毒の危険
    1. 雪中での注意点
    2. エンジンかけっぱなしでガソリンはどれくらい使う?
    3. ガソリン代の計算例
  8. ガソリンスタンドも被災する
    1. 日頃からできる燃料対策
  9. 地震後の車中泊で注意する場所
    1. 避けたい場所
  10. 大雨・洪水時の車中泊で注意する場所
    1. 絶対に避けたい場所
    2. 水が迫ってから車で移動しない
  11. 津波時は車中泊より高台への避難を優先
  12. 土砂災害時に避けたい場所
  13. 車中泊に適した場所
  14. 車中泊でも避難所の受付をする
  15. 駐車場で守りたいルール
  16. ソーラー発電は車中泊で役立つ?
    1. ソーラー発電のメリット
    2. ソーラー発電のデメリット
    3. 車内へ置いたまま発電しない
  17. モバイルバッテリーは有効?
    1. モバイルバッテリーで使いやすいもの
    2. モバイルバッテリーでは難しいもの
    3. 真夏の車内へ放置しない
    4. 異常があるものは使わない
  18. ポータブル電源は車中泊に役立つ?
    1. ポータブル電源の注意点
  19. 車のシガーソケット使用に注意する
  20. 電気自動車・ハイブリッド車の電源利用
  21. 車中泊で最低限必要なもの
    1. 命と健康を守るもの
    2. 就寝・温度対策
    3. 車両用品
  22. 車中泊の1日の過ごし方
    1. 朝
    2. 日中
    3. 夜
  23. 車中泊を中止したほうがよいサイン
  24. 車中泊チェックリスト
    1. 場所
    2. 健康
    3. 夏
    4. 冬
    5. 電源と燃料
  25. まとめ|車中泊は短期間の避難手段として安全管理が必要

災害時の車中泊とは?

災害時の車中泊とは、
自動車を一時的な生活・就寝場所として利用する避難方法です。

自宅や避難所の代わりに、次のような場所で行われることがあります。

  • 指定された車中泊避難場所
  • 避難所に併設された駐車場
  • 自治体が開放した公共施設の駐車場
  • 高台の安全な駐車場所
  • 自宅敷地内
  • 親戚・知人宅の敷地

ただし、一般の駐車場や商業施設の駐車場へ、
許可なく長期間滞在してよいわけではありません。

駐車場の所有者や避難所管理者の指示に従ってください。

車中泊は災害時の第一選択とは限らない

車中泊は、避難方法の一つではありますが、
長期生活に適した環境ではありません。

次の場所で安全に生活できるなら、そちらも検討しましょう。

  • 安全が確認された自宅
  • 指定避難所
  • 親戚・知人宅
  • ホテル・宿泊施設
  • 福祉避難所など自治体が案内する施設

特に、高齢者、妊娠中の人、持病のある人、
介護が必要な人、乳幼児などは、
車内環境によって体調を崩しやすいため注意が必要です。

災害時に車中泊を選ぶメリット

家族のプライバシーを確保しやすい

避難所では、多くの人が同じ体育館や教室で生活します。

車内であれば、狭いながらも家族だけの空間を確保できます。

  • 着替えや授乳をしやすい
  • 家族で話しやすい
  • 他人の視線を避けやすい
  • 荷物を管理しやすい
  • 消灯後も必要な対応をしやすい

ただし、防犯のためカーテンや目隠しを使用しても、
完全に外が見えない状態で長時間過ごすと、
周囲の危険に気づきにくくなります。

乳幼児や介護が必要な家族と過ごしやすい

赤ちゃんの夜泣き、授乳、おむつ交換、高齢者の介護などで、
周囲へ迷惑をかける心配を減らせます。

家族が普段使っている用品を車へ積めることもメリットです。

ペットと避難しやすい

避難所では、ペットとの同行避難が認められても、
人とペットが同じ居住スペースで過ごせるとは限りません。

車中泊なら、ペットと近い場所で過ごせる場合があります。

ただし、夏の車内へペットだけを残すのは非常に危険です。

ペットにも熱中症、低体温症、
エコノミークラス症候群に似た運動不足の問題があります。

荷物を保管しやすい

車には、防災リュックより多くの荷物を積めます。

  • 水
  • 食料
  • 着替え
  • 毛布
  • 携帯トイレ
  • 衛生用品
  • ペット用品
  • 小型の電源機器

ただし、積みすぎると寝る場所が狭くなります。
また、急ブレーキや余震で荷物が移動しないよう固定が必要です。

雨風を避けられる

屋外で待機するより、車内のほうが雨や風を避けられます。

しかし、台風の暴風、洪水、高潮、土砂災害などに対して、
自動車が安全な避難施設になるとは限りません。

災害時に車中泊をするデメリット

車内が狭い

座席に座ったまま長時間過ごすと、
足を伸ばしにくく、血流が悪くなります。

睡眠不足、腰痛、肩こり、むくみ、
体調不良につながることもあります。

温度変化が大きい

車は金属とガラスに囲まれているため、
外気や日差しの影響を強く受けます。

  • 夏は短時間で高温になる
  • 冬は夜間に大きく冷える
  • 朝日が当たると急に暑くなる
  • 湿気で結露しやすい

エンジンを止めた車内は、住宅のように温度を保てません。

トイレや水を確保しにくい

避難所から離れた場所に駐車すると、
トイレ、給水、食料配布、医療支援を受けにくくなります。

トイレへ行く回数を減らそうとして水分を控えると、
脱水やエコノミークラス症候群の危険が高まります。

支援情報が届きにくい

車中泊をしていることを自治体や避難所が把握できなければ、
次の情報や支援から漏れる可能性があります。

  • 食料や水の配布
  • 医療チームの巡回
  • 入浴支援
  • 充電サービス
  • 交通情報
  • 避難所の移転情報
  • 罹災証明などの行政手続き

車中泊を選んだ場合も、
最寄りの避難所や自治体の受付へ登録しましょう。

エコノミークラス症候群に注意する

車中泊で特に注意したいのが、深部静脈血栓症や肺塞栓症、
いわゆるエコノミークラス症候群です。

狭い座席で長時間同じ姿勢を続けると、足の血流が悪くなり、
血の塊ができることがあります。
その血栓が肺の血管へ詰まると、命に関わります。

危険が高まりやすい状況

  • 車の座席で座ったまま眠る
  • 長時間足を動かさない
  • 水分を控える
  • トイレを我慢する
  • きつい服を着る
  • アルコールを飲む
  • 喫煙する
  • 体調不良が続いている

特に、高齢者、妊娠中・出産後の人、肥満傾向の人、持病がある人、
過去に血栓症になった人などは注意が必要です。

予防方法

  • こまめに水分を取る
  • 2~3時間ごとを目安に安全な場所で歩く
  • 車内でも足首を動かす
  • かかとを上げ下げする
  • ふくらはぎを軽く動かす
  • 足を伸ばして眠れる状態にする
  • ゆったりした服装にする
  • ベルトを強く締めない
  • アルコールを控える
  • できれば禁煙する

厚生労働省も、軽い体操やストレッチ、こまめな水分補給、
かかとの上げ下ろし、就寝時に足を上げることなどを勧めています。

危険な症状

  • 片足だけが急に腫れる
  • ふくらはぎが痛む
  • 皮膚が赤くなる
  • 突然息苦しくなる
  • 胸が痛む
  • 冷や汗が出る
  • 失神する

このような症状がある場合は、すぐに周囲へ助けを求め、
医療機関や救護所へ相談してください。

夏の車中泊で最も怖いのは熱中症

夏の車内は、窓を少し開けていても急激に温度が上がります。

直射日光が当たる場所では、朝のうちから危険な温度になる可能性があります。

夏に車中泊を避けるべき人

  • 乳幼児
  • 高齢者
  • 妊娠中の人
  • 心臓病など持病がある人
  • 発熱や下痢がある人
  • 自分で水分を取れない人
  • ペット

気温が高い日は、車中泊を続けることにこだわらず、
冷房を利用できる避難所やクーリングシェルターなどへ移動してください。

夏の駐車場所

  • 日陰
  • 風通しのよい場所
  • 浸水しない高い場所
  • 避難所管理者が指定した場所
  • トイレと給水場所へ安全に行ける場所

ただし、日陰は時間とともに移動します。夜は涼しくても、
朝日が車へ当たり急激に高温になることがあります。

夏の対策

  • こまめに水分と塩分を取る
  • 車用サンシェードを使う
  • 窓へ目隠しと遮熱対策をする
  • 防虫ネットを使い、安全な範囲で換気する
  • USB扇風機を使う
  • 冷却タオルや保冷剤を使う
  • 朝日が当たる前に起きる
  • 少しでも体調が悪ければ冷房のある施設へ移る

USB扇風機は空気を動かしますが、
車内温度そのものを大幅に下げるものではありません。

高温の車内で扇風機だけを使用しても、
熱中症を防げない場合があります。

夏にエンジンをかけたまま寝てもよい?

エアコンを使うためにエンジンをかけ続けたくなるかもしれません。

しかし、エンジンをかけたままの就寝には次の問題があります。

  • 排気ガスが車内へ入る危険
  • 一酸化炭素中毒
  • 燃料切れ
  • 騒音
  • 周囲への排気ガス
  • エンジンの過熱や故障
  • 誤操作や車両の移動
  • 駐車場や自治体のアイドリング規制
  • 避難所での使用制限

マフラー周辺に荷物、泥、落ち葉、雪などがあると、
排気ガスが車内へ入りやすくなります。

また、隣の車や発電機の排気ガスが入る可能性もあります。

眠っている間は一酸化炭素中毒の異変に気づけないため、
エンジンをかけたまま寝る方法を前提にしないことが大切です。

暑くてエンジンを切れない状況は、
車中泊に適さない環境である可能性があります。
冷房のある安全な施設へ移動しましょう。

冬の車中泊は低体温症に注意する

冬は車内が外気温に近づき、寝ている間に体温を奪われます。

特に冷えやすいのは、窓、床、車体の金属部分です。

冬に必要なもの

  • 冬用寝袋
  • 毛布
  • 厚手の防寒着
  • 帽子
  • 手袋
  • 厚手の靴下
  • 断熱マット
  • 窓用断熱シート
  • 使い捨てカイロ
  • 温かい飲み物を作る手段
  • スコップ
  • 雪下ろし用具

毛布だけでなく、体の下へ断熱マットを敷くことが大切です。
床面から伝わる冷気を減らせます。

使い捨てカイロの低温やけど

使い捨てカイロを肌へ直接貼ったり、
同じ場所へ長時間当てたりすると、
低温やけどを起こす可能性があります。

就寝時は、製品の注意事項を確認してください。
乳幼児、高齢者、糖尿病などで温度を感じにくい人は特に注意が必要です。

雪の中でエンジンをかけると一酸化炭素中毒の危険

雪がマフラー周辺に積もると、排気ガスが車体の下へたまり、
車内へ流れ込むことがあります。

一酸化炭素は無色・無臭のため、
気づかないまま中毒になる危険があります。

雪中での注意点

  • 可能な限りエンジンを切る
  • マフラー周辺をこまめに除雪する
  • 車の周囲も除雪する
  • 雪が降り続く間は眠ったままエンジンをかけない
  • 排気口を荷物でふさがない
  • 車体全体が雪に埋まらないようにする
  • 一酸化炭素警報器があっても過信しない

JAFも、雪で車が埋まると排気ガスが車内へ入り、
一酸化炭素中毒で死亡する危険があるため、
降雪時はできるだけエンジンを切り、
マフラー周辺を除雪するよう案内しています。

エンジンかけっぱなしでガソリンはどれくらい使う?

アイドリング中も燃料は消費されます。

JAFによると、
ガソリン車では10分間のアイドリングで
約130ccの燃料を使うことが一つの目安とされています。

単純計算すると、次のようになります。

アイドリング時間燃料消費の計算例
1時間約0.78L
5時間約3.9L
8時間約6.24L
24時間約18.72L

これはエアコンの使用、車種、エンジンの大きさ、
外気温、バッテリー状態などを考慮しない概算です。
実際の消費量は大きく異なる場合があります。

ガソリン代の計算例

仮にガソリン1Lを180円として、8時間で約6.24L消費した場合は、

6.24L×180円=約1,123円

です。

24時間なら、単純計算で約3,370円になります。

これはあくまで計算例です。
実際のガソリン価格と車の燃料消費量で計算してください。

災害時に問題になるのは、ガソリン代だけではありません。
燃料を買いたくても、給油できない可能性があります。

ガソリンスタンドも被災する

災害時には、ガソリンスタンドで次の問題が起こる可能性があります。

  • 停電で給油機が動かない
  • 地下タンクや設備が点検中
  • 道路が寸断され燃料が届かない
  • 給油待ちの長い列ができる
  • 1台当たりの給油量が制限される
  • 緊急車両への給油が優先される
  • 営業時間が短縮される
  • 津波や洪水で店舗が被災する
  • 現金しか使えない

エンジンをかけ続けて燃料を使い切ると、
避難場所を変更しなければならないときに車を動かせません。

日頃からできる燃料対策

  • 燃料が半分になる前に給油する
  • 台風や大雪の前に早めに給油する
  • 車種ごとの燃費とタンク容量を把握する
  • 車中泊では不要なアイドリングを控える
  • 緊急移動用の燃料を残す
  • 自治体や石油会社の給油情報を確認する

ガソリンを携行缶で自宅や車内へ保管する方法には、
火災、漏えい、静電気、盗難などの重大な危険があります。

法令や安全な保管条件もあるため、
安易な買い置きは避けてください。

地震後の車中泊で注意する場所

地震では余震によって、
建物、塀、電柱、斜面などが崩れる可能性があります。

避けたい場所

  • 壊れた建物の横
  • 古いブロック塀の近く
  • 看板やガラスの下
  • 電柱や電線の近く
  • 崖や急斜面の下
  • 橋の上や高架下
  • 液状化した場所
  • 地割れの近く
  • 消防車や救急車が通る道路
  • 支援物資の搬入口

地震後は、
平らに見える駐車場でも地面が沈下・亀裂している可能性があります。

大雨・洪水時の車中泊で注意する場所

車は浸水に弱く、
水が増え始めると短時間で動かせなくなることがあります。

絶対に避けたい場所

  • 河川敷
  • 川沿い
  • 海岸
  • 地下駐車場
  • アンダーパス
  • くぼ地
  • 周囲より低い駐車場
  • 洪水浸水想定区域
  • 高潮浸水想定区域

「大きな駐車場だから安全」とは限りません。
道の駅、スーパー、公園の駐車場でも、
浸水区域に入っている可能性があります。

水が迫ってから車で移動しない

道路が冠水すると、
水深や流れ、マンホールの位置が分かりません。

車が動くうちに逃げようとして、
渋滞や冠水道路に取り残される危険もあります。

大雨の危険が高まる前に、
浸水区域外の指定された避難場所へ移動してください。

津波時は車中泊より高台への避難を優先

海岸や川沿いで大きな地震が起きた場合は、
車中泊場所を探すのではなく、津波から逃げることが最優先です。

  • 海や川から離れる
  • 高台へ避難する
  • 津波避難ビルを利用する
  • 渋滞している場合は車を安全な場所へ置き、徒歩で避難する
  • 荷物を取りに戻らない
  • 警報解除まで低い場所へ戻らない

車での避難は渋滞しやすく、
津波からの逃げ遅れにつながる場合があります。
地域の避難計画に従ってください。

土砂災害時に避けたい場所

  • 崖の下
  • 急斜面の近く
  • 沢や谷の出口
  • 山沿いの駐車場
  • 切り通し
  • トンネルの出入口付近
  • 土砂災害警戒区域

雨が止んでも土砂災害が起こる可能性があります。

景色のよい山間部や、静かな林道へ移動するのは避けましょう。

車中泊に適した場所

車中泊を行うなら、次の条件を満たす場所を選びます。

  • 自治体や避難所が指定・許可している
  • 洪水・津波・高潮の浸水区域外
  • 土砂災害警戒区域外
  • 平らで安定した地面
  • 落下物の危険がない
  • 緊急車両の通行を妨げない
  • トイレと給水場所へ行ける
  • 支援情報を受け取れる
  • 避難所の巡回対象になる
  • 車同士の間隔を確保できる

内閣府の避難所運営資料でも、車両避難者の駐車位置を指定し、
豪雨時には浸水しないよう周囲の状況を確認することが示されています。

車中泊でも避難所の受付をする

車中泊は、
避難所の建物へ入らない「避難所外避難」になる場合があります。

その場合も、避難所や自治体へ次の情報を伝えましょう。

  • 車中泊していること
  • 車のナンバー
  • 駐車場所
  • 家族の人数
  • 乳幼児や高齢者の有無
  • 持病や薬の有無
  • ペットの有無
  • 緊急連絡先

受付をすれば、
水や食料の配布、医療巡回、避難情報などを受け取りやすくなります。

車中泊をしているからといって、
避難所の支援を受けてはいけないわけではありません。

駐車場で守りたいルール

  • 指定された区画へ止める
  • 緊急車両の通路を空ける
  • 支援物資の搬入口をふさがない
  • 車間を適切に空ける
  • 深夜のドア開閉を減らす
  • クラクションを使わない
  • 大音量でラジオや動画を流さない
  • エンジンの長時間使用を避ける
  • 排気口を人やテントへ向けない
  • ごみや排泄物を放置しない
  • ペットを外へ放したままにしない

エンジン音や振動は、自分が思う以上に周囲へ響きます。
窓を開けて眠る人やテントで過ごす人へ、
排気ガスが流れないように配慮してください。

ソーラー発電は車中泊で役立つ?

折りたたみ式のソーラーパネルがあれば、
停電中でもスマートフォン、モバイルバッテリー、
ポータブル電源などを充電できる可能性があります。

ソーラー発電のメリット

  • ガソリンを使わない
  • 発電中の音がほとんどない
  • 排気ガスが出ない
  • 日中に電気を補充できる
  • 長期停電時に役立つ
  • モバイルバッテリーと組み合わせられる

ソーラー発電のデメリット

  • 夜間は発電できない
  • 曇りや雨では発電量が減る
  • カタログどおりの最大出力が出るとは限らない
  • パネルを広げる場所が必要
  • 強風で飛ばされる危険がある
  • 車の影や建物の影で発電量が落ちる
  • 接続規格が合わないことがある
  • パネルや配線が盗難・破損する可能性がある

車内へ置いたまま発電しない

フロントガラス越しでは、
日差しの角度やガラスの影響によって十分に発電できない場合があります。
また、パネルや充電機器が高温になる危険があります。

ソーラーパネルは、安全が確認された屋外で、
風に飛ばされないよう固定し、メーカー指定の方法で使用してください。

避難所の駐車場では、通路をふさいだり、
ほかの車へ反射光を向けたりしないよう、管理者へ確認します。

モバイルバッテリーは有効?

モバイルバッテリーは、車中泊で非常に役立つ電源の一つです。

モバイルバッテリーで使いやすいもの

  • スマートフォン
  • USBライト
  • 小型ラジオ
  • USB扇風機
  • ヘッドライト
  • 一部の小型通信機器

スマートフォンは、
家族との連絡、災害情報、地図、避難所情報の確認に使います。
少なくとも1台、できれば家族で複数台用意すると安心です。

モバイルバッテリーでは難しいもの

  • 車用エアコン
  • 家庭用エアコン
  • 電気ストーブ
  • 電気ケトル
  • 電子レンジ
  • 一般的な電気毛布の長時間使用
  • 冷蔵庫

モバイルバッテリーは、スマートフォンや小型USB機器向けです。
車内全体の冷暖房には使用できません。

真夏の車内へ放置しない

モバイルバッテリーにはリチウムイオン電池が使われています。

高温になる車内へ放置すると、
劣化、膨張、発熱、発火の危険があります。

ダッシュボードや直射日光が当たる窓際には置かないでください。

NITEは、真夏の車内や直射日光の当たる窓際へ
モバイルバッテリーを放置しないよう注意を呼びかけています。

異常があるものは使わない

  • 膨らんでいる
  • 異常に熱い
  • 焦げた臭いがする
  • 液漏れしている
  • 外装が割れている
  • 落下や浸水後に動作がおかしい

このようなモバイルバッテリーは使用・充電せず、
製造事業者などへ相談してください。

ポータブル電源は車中泊に役立つ?

モバイルバッテリーより容量が大きいポータブル電源は、
次のような機器に使えます。

  • スマートフォン
  • LED照明
  • USB扇風機
  • パソコン
  • 小型の電気毛布
  • CPAPなど一部の健康機器

ただし、接続する機器の消費電力とポータブル電源の定格出力を
確認する必要があります。

医療機器に使用する場合は、
機器と電源双方のメーカー、医療機関などへ事前に確認し、
一般用ポータブル電源だけを唯一の電源にしないでください。

ポータブル電源の注意点

  • 夏の高温車内へ放置しない
  • 雨や結露で濡らさない
  • 毛布で覆わない
  • 吸排気口をふさがない
  • 走行中に動かないよう固定する
  • 充電中はときどき状態を確認する
  • 異音や膨張があれば使用を中止する
  • 避難所では使用許可を確認する

ポータブル電源があっても、
エアコンや電気ストーブを長時間動かせるとは限りません。
夏冬の安全を電源だけに頼らないようにしましょう。

車のシガーソケット使用に注意する

車のシガーソケットから、スマートフォンやポータブル電源を充電できます。

しかし、エンジン停止中に長時間電気を使うと、
車の始動用バッテリーが上がる可能性があります。

  • エンジン停止時に使えるか取扱説明書で確認する
  • 車の始動用バッテリー残量を使い切らない
  • 大出力のインバーターを安易に接続しない
  • 配線を通路やペダル付近へ置かない
  • ヒューズや定格出力を確認する

いざ避難場所を移動しようとしたときにエンジンがかからなければ、
命に関わる可能性があります。

電気自動車・ハイブリッド車の電源利用

EV、PHEV、HVの中には、
車内コンセントや外部給電機能を備えた車種があります。

大容量の駆動用バッテリーから電気を取り出せるため、
災害時に役立つ可能性があります。

ただし、車種によって仕組みが異なります。

  • 給電中にエンジンが自動始動する
  • 使用できる最大出力が異なる
  • 車内だけで使える
  • 専用機器が必要
  • バッテリー残量によって停止する
  • 走行に必要な電力・燃料が減る

給電中にエンジンが始動する車種は、
閉鎖された車庫や屋内では一酸化炭素中毒の危険があります。

取扱説明書を確認し、
避難や移動に必要なバッテリー残量を残してください。

車中泊で最低限必要なもの

命と健康を守るもの

  • 飲料水
  • 調理不要の食料
  • 常用薬
  • お薬手帳
  • 携帯トイレ
  • 救急用品
  • スマートフォン
  • モバイルバッテリー
  • 充電ケーブル
  • ライト
  • 現金
  • 身分証明書

就寝・温度対策

  • 寝袋
  • 毛布
  • 断熱マット
  • 窓用の目隠し
  • サンシェード
  • 防虫ネット
  • USB扇風機
  • 防寒着
  • 帽子・手袋
  • 温度計

車両用品

  • 燃料
  • 三角表示板
  • 発炎筒
  • けん引ロープ
  • ブースターケーブルまたは車用ジャンプスターター
  • タイヤ用具
  • 軍手
  • スコップ
  • 雨具
  • ごみ袋
  • 車検証情報
  • 自動車保険の連絡先

ジャンプスターターもリチウムイオン電池を使用する製品が多いため、
真夏の車内へ長期間放置してよい製品か、保管温度を確認してください。

車中泊の1日の過ごし方

朝

  • 家族全員の体調を確認する
  • 朝日で車内温度が上がる前に換気する
  • 避難所や自治体の情報を確認する
  • 水と食料の残量を確認する
  • 車の周囲と地面を確認する

日中

  • 安全な場所で歩く
  • 足首とふくらはぎを動かす
  • こまめに水分を取る
  • 避難所の受付や保健師へ状況を伝える
  • ソーラーパネルなどで電源を補充する
  • 車内に人やペットを残して離れない

夜

  • 駐車場所の危険を再確認する
  • 翌朝の天候を確認する
  • 貴重品を身につける
  • ドアを施錠する
  • 一酸化炭素や火気に注意する
  • 足をできるだけ伸ばして眠る
  • エンジンをかけたまま眠らない
  • 緊急時にすぐ動けるよう靴とライトを手元に置く

車中泊を中止したほうがよいサイン

次の状況になったら、車中泊を続けることにこだわらず、
避難所や医療機関などへ移動してください。

  • 車内が暑くて冷やせない
  • 寒さで震えが止まらない
  • 水や食料が不足した
  • 片足が腫れたり痛んだりする
  • 息苦しい・胸が痛い
  • 強い頭痛や吐き気がある
  • 乳幼児や高齢者の元気がない
  • 持病が悪化した
  • 豪雨や河川水位の上昇が続いている
  • 津波・洪水・土砂災害の危険が高まった
  • 周辺で火災や治安上の問題が起きた
  • 燃料やバッテリーが少なくなった
  • 行政から移動を求められた

体調不良を我慢しないことが、
災害関連死を防ぐために重要です。

車中泊チェックリスト

場所

  • 自治体や管理者に許可された場所
  • 洪水・津波・高潮の浸水区域外
  • 土砂災害警戒区域外
  • 落下物や倒壊の危険がない
  • 平らで安定した地面
  • 緊急車両の通路をふさいでいない
  • トイレと給水場所を利用できる
  • 避難所へ登録した

健康

  • 足を伸ばして眠れる
  • こまめに水分を取っている
  • 定期的に歩いている
  • 足首やふくらはぎを動かしている
  • トイレを我慢していない
  • アルコールを控えている
  • 家族の体調を毎日確認している

夏

  • 日陰と風通しを確認した
  • 朝日が当たる時間を確認した
  • サンシェードがある
  • USB扇風機がある
  • 水と塩分を用意した
  • 冷房を使える避難先を確認した
  • 子どもやペットだけを車内へ残さない

冬

  • 冬用寝袋がある
  • 断熱マットがある
  • 毛布と防寒着がある
  • 帽子・手袋・厚手の靴下がある
  • スコップがある
  • マフラー周辺を除雪できる
  • エンジンをかけたまま眠らない

電源と燃料

  • 燃料を半分以上保つよう心がけている
  • 緊急移動用の燃料を残している
  • モバイルバッテリーを用意した
  • 高温の車内へ電池を放置していない
  • ソーラーパネルの対応機器を確認した
  • シガーソケットの定格を確認した
  • 車の始動用バッテリーを使い切らない

まとめ|車中泊は短期間の避難手段として安全管理が必要

防災すぐるパパ
車中泊はプライバシーを守れるけれど、
エンジンをかけておけば安心というわけではないんだね。

まどかママ
夏の暑さ、冬の一酸化炭素中毒、血栓症、
駐車場所まで考える必要があるのね。

らぼる君
そうだよ。車中泊は便利な面もあるけれど、
危険を管理できないときは避難所などへ移る判断が必要なんだ。

災害時の車中泊には、プライバシーを保ちやすく、
乳幼児、介護が必要な家族、
ペットと過ごしやすいというメリットがあります。

一方で、次のような危険があります。

  • エコノミークラス症候群
  • 夏の熱中症
  • 冬の低体温症
  • 排気ガスによる一酸化炭素中毒
  • 燃料切れ
  • 騒音や排気ガスによるトラブル
  • 洪水、津波、土砂災害
  • 支援情報や物資から取り残される
  • モバイルバッテリーなどの高温発火

エンジンのかけっぱなしは燃料を消費し、
給油所が被災すれば補給できません。雪や泥でマフラーがふさがれると、
一酸化炭素中毒の危険もあります。

ソーラーパネルやモバイルバッテリーは、
スマートフォン、照明、小型扇風機などの電源として有効です。

しかし、天候や容量に限界があり、
真夏の車内へ放置すれば発火の危険があります。

車中泊を選ぶときは、自治体や避難所へ登録し、
指定された安全な場所を利用しましょう。

水分補給と運動を続け、
体調が悪化したら我慢せず医療支援を求めてください。

そして、夏に冷房なしでは過ごせない、
冬に十分な防寒ができない、
浸水や土砂災害の危険があるときは、車中泊を続けてはいけません。

車中泊は「避難所に入らなくてよい方法」ではなく、
安全な避難先が確保されるまで家族を守るための、
一時的な選択肢の一つです。

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