これから戸建住宅を新築する人へ。
地震・洪水・台風などの災害から家族を守るため、
土地選び、住宅性能、間取り、停電・断水対策まで
「防災ラボる」式に分かりやすく解説します。
こんにちは!
「防災ラボる」です。
これから戸建住宅を建てようと思っている人は、
「どんな間取りにしよう?」
「キッチンは広くしたいな」
「収納もたくさん欲しい」
「太陽光発電も付けたほうがいいかな?」
など、いろいろなことを考えていると思います。
家づくりは楽しいものです。
でも、防災ラボるでは、
家を建てる前だからこそ考えてほしいことがあります。
それは、
「この家で災害が起きたら、家族を守れるだろうか?」
ということです。
地震、大雨、洪水、台風、土砂災害、津波。
災害そのものを住宅だけで防ぐことはできません。
しかし、
「どこに建てるか」
「どんな家にするか」
「災害後も暮らせるか」
を家づくりの段階から考えることで、
災害による被害を小さくできる可能性があります。
今回は、
「災害が起きてから家族を守る家」ではなく、
「災害が起きる前から家族を守る家」
について、一緒にラボってみましょう。
まず結論|防災住宅は「強い家」を建てるだけではない
「災害に強い家」と聞くと、
「耐震性能の高い家」
を想像する人が多いかもしれません。
もちろん、耐震性は非常に重要です。
でも、防災の視点から家づくりを考えるなら、
それだけでは足りません。
例えば、
どれだけ耐震性の高い住宅でも、
洪水で深く浸水する場所に建っていれば、
水害へのリスクは残ります。
崖の近くなら、
土砂災害について考える必要があります。
海の近くなら、
津波や高潮も確認したいところです。
そして建物が無事でも、
停電したら?
断水したら?
道路が通れなくなったら?
トイレが使えなくなったら?
という問題があります。
だから防災ラボるでは、
災害に強い住宅を次の3段階で考えてみたいと思います。
① 土地で防ぐ
↓
② 建物で防ぐ
↓
③ 暮らしで備える
この3つです。
STEP1「土地で防ぐ」|家を建てる前に災害リスクを知る
家の性能を考える前に「土地」を見る
防災住宅を考えるとき、
最初に確認したいのは住宅設備ではありません。
土地です。
家は建て替えることができます。
設備も交換できます。
しかし、一度家を建てると、
その土地を簡単に移動することはできません。
だから土地を購入する前に、
「この場所では何が起こる可能性があるのか?」
を調べておきたいところです。
ハザードマップを確認する
まず確認したいのがハザードマップです。
住所や候補地を調べ、
・洪水
・内水氾濫
・土砂災害
・高潮
・津波
などの危険性を確認します。
「災害リスクがある土地=絶対に家を建ててはいけない」
という単純な話ではありません。
重要なのは、
リスクを知らないまま建てないこと。
です。
例えば浸水が想定されるなら、
「どのくらいの深さまで浸水する可能性がある?」
「2階へ避難できる?」
「電気設備を高い位置にできる?」
など、住宅側の対策を考えることができます。
土地を契約してから調べるのではなく、
候補地を選ぶ段階でハザードマップを見る。
これを家づくりの習慣にしてみましょう。
「昔から家があるから安全」とは限らない
住宅地を見て、
「周りにもたくさん家が建っているから大丈夫だろう」
と思うことがあります。
でも、
住宅が建っていることと、
災害リスクがないことは同じではありません。
川の近く。
低い土地。
崖の近く。
海沿い。
造成された土地。
見た目だけでは分からないリスクもあります。
土地を決めるときは、
「住みやすいか」だけでなく「災害が起きたらどうなるか」
という視点も持ってみましょう。
STEP2「建物で防ぐ」|災害が来ることを前提に家を考える
地震|「倒れない」だけでなく「住み続けられるか」
日本で家を建てるなら、地震への備えは重要です。
住宅会社と相談するときは、
「耐震性は大丈夫ですか?」
だけではなく、
「大きな地震の後、
この家で生活を続けられる可能性を高めるには何が必要ですか?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
構造部分だけではありません。
例えば、
・大型家具が倒れにくい配置にする
・背の高い収納を造り付けにする
・寝室の近くに倒れる家具を置かない
・避難経路を家具でふさがない
・窓ガラスの飛散対策を考える
など、間取りの段階からできることがあります。
完成してから家具を固定するより、
最初から「倒れる物を減らす家」にする。
これも防災住宅の考え方です。
水害|「水を入れない」と「水が来ても被害を減らす」
洪水や内水氾濫の可能性がある地域なら、
水害を想定した家づくりも考えてみましょう。
例えば、
・敷地や床の高さを検討する
・重要な設備の設置位置を考える
・分電盤など電気設備の高さを検討する
・1階と2階の使い方を考える
・垂直避難しやすい間取りにする
などです。
ただし、必要な対策は土地によって大きく異なります。
だからこそ、
ハザードマップ→想定される災害→住宅対策
という順番で考えることが重要です。
大雨については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
▶ 線状降水帯・ゲリラ豪雨から命と車を守る|安全な避難場所と早めの行動を考える
台風|屋根だけでなく「飛んでくる物」も考える
台風では強風によって、
屋根材が損傷したり、
物が飛んできて窓ガラスが割れたりする可能性があります。
新築時なら、
・屋根や外壁
・窓
・シャッターや雨戸
・庭
・カーポート
・物置
なども含めて、
「強風時にどうなる?」
と考えてみましょう。
特に窓は、
風そのものだけではなく
飛来物への備えも考えたい場所です。
台風が来る直前になって慌てるのではなく、
家そのものに対策を組み込んでおく。
新築住宅だからこそできる防災です。
▶ 台風が来る前に準備すること|「知る・備える・行動する」で家族を守ろう
STEP3「暮らしで備える」|家が無事でも生活できるとは限らない
ここは意外と見落としやすいポイントです。
災害で住宅そのものが無事だったとします。
でも、
電気・水道・ガスが止まる可能性があります。
つまり、
「家が壊れないこと」と「家で暮らせること」は別です。
そこで新築時には、
「ライフラインが止まったとき、この家でどう暮らす?」
ということも考えてみましょう。
停電したらどうする?
停電すると、
照明だけでなく、
冷蔵庫、エアコン、給湯設備、通信機器など、
さまざまな設備が使えなくなる可能性があります。
新築時なら、
・太陽光発電
・蓄電池
・非常用電源
・給電できる車との連携
などを検討する家庭もあるでしょう。
ただし、
「太陽光がある=停電時も普段どおり電気が使える」
とは限りません。
設備によって停電時の使い方や利用できる電力が異なるため、
導入する場合は住宅会社や設備会社に、
・停電したら、
・どのコンセントで、
・何を、
・どれくらい使えますか?」
まで確認しておくことが大切です。
断水したらどうする?
断水すると困るのは飲み水だけではありません。
料理。
手洗い。
洗面。
そして、
トイレ。
新築住宅では収納計画を考えるときに、
防災備蓄を置く場所
も最初から作っておくと便利です。
水、食料、携帯トイレ、ライト、カセットコンロなどを
一か所に詰め込むのではなく、
状況によっては分散して保管する方法もあります。
防災用品についてはこちらの記事も参考にしてください。
▶ 防災グッズは何を買えばいい?一度に買わない「防災ラボる式・備蓄サイクル」で無理なく備えよう
新築時だからできる「防災収納」という考え方
家を建ててから、
「防災用品を置く場所がない!」
となることがあります。
だったら、
最初から防災用品の住所を作ってしまいましょう。
例えば、
玄関には
避難用リュック。
キッチン周辺には
ローリングストック用の食品。
別の場所には
水。
トイレ周辺には
携帯トイレ。
寝室には
靴やライト。
こうして、
「何を・どこで・いつ使うのか」
まで考えて収納を設計すると、
普段の生活にも防災を組み込みやすくなります。
「避難しなくていい家」を目指さない
災害に強い住宅を建てると、
「この家なら避難しなくても大丈夫」
と思ってしまうかもしれません。
でも、ここは注意したいところです。
どれだけ対策した住宅でも、
すべての災害から絶対に安全な家にはできません。
災害の種類や規模によっては、
住宅にとどまるより避難したほうが安全な場合があります。
だから住宅を強くすることと同時に、
・避難場所
・避難経路
・避難するタイミング
・家族との連絡方法
も考えておきましょう。
防災住宅とは、
「絶対に避難しなくていい家」ではなく、
「家にとどまる・避難するを正しく選べる家」
と考えたほうがよいかもしれません。
▶ 警戒レベルとは?災害によって意味が違う?1~5の違いと避難のタイミングを解説
住宅会社に聞いてみたい「防災10の質問」
これから住宅会社や工務店と打ち合わせをするなら、
こんな質問をしてみてください。
- この土地ではどんな災害が想定されていますか?
- 地震に対して、この住宅はどのように備えていますか?
- 大きな地震の後も住み続けることを考えた設計ですか?
- 洪水・内水氾濫が起きた場合、住宅にどんな影響がありますか?
- 強風や飛来物への対策はできますか?
- 停電した場合、使える設備はありますか?
- 断水した場合の生活を想定していますか?
- 防災備蓄を置く場所を作れますか?
- 家具が倒れにくい間取り・収納にできますか?
- この家の防災上の弱点はどこですか?
最後の質問は特に重要です。
「この家は安全ですか?」ではなく、
「この家の弱点はどこですか?」
と聞く。
弱点が分かれば、そこから対策を考えることができます。
防災ラボる式|家づくり防災チェック
土地を決める前
□ ハザードマップを確認した
□ 洪水・内水・土砂・高潮・津波を確認した
□ 避難場所を確認した
□ 避難経路を確認した
設計するとき
□ 耐震性について確認した
□ 家具が倒れにくい間取りを考えた
□ 窓・屋根・外壁の災害対策を確認した
□ 水害が起きた場合を考えた
□ 防災用品の収納場所を作った
設備を決めるとき
□ 停電した場合を考えた
□ 断水した場合を考えた
□ 非常用電源について検討した
□ 携帯トイレの保管場所を決めた
入居したら
□ 水と食料を備蓄した
□ 避難用リュックを準備した
□ 家族で避難方法を話し合った
□ 定期的に防災設備と備蓄を点検する
防災ラボるのまとめ
これから戸建住宅を新築する人に、
一番伝えたいことがあります。
それは、
防災は、家が完成してから始めるものではない。
ということです。
家を建てる前なら、
土地を選べます。
間取りを考えられます。
設備を選べます。
収納場所も作れます。
だからこそ、
土地で防ぐ
↓
建物で防ぐ
↓
暮らしで備える
この3段階で考えてみましょう。
そして、
「災害に強い家を建てたから大丈夫」
ではなく、
「この家の弱点は何だろう?」
と考えてみる。
災害を完全に防ぐことはできません。
でも、
何も起きていない今だからできることは、
たくさんあります。
これから何十年も家族が暮らす家。
デザイン。
間取り。
収納。
住宅設備。
そこにもう一つ、
「防災」
という設計条件を加えてみませんか?
災害が起きてから家族を守るのではなく、
家を建てるその瞬間から、家族を守る。
一緒にラボろう、防災のこと。
— 防災ラボる

