大雨・線状降水帯が発生する前に知っておきたいアンダーパス・坂のくぼ地の危険性

大雨
大雨で冠水したアンダーパスを避け、安全な道へ引き返す家族

大雨のニュースで、アンダーパスに入った車が水没し、
乗っていた人が車外へ出られなくなる事故が伝えられることがあります。

「いつも通る道だから大丈夫」
「前の車も進んだから行ける」
と思っても、
道路の最も低い場所では短時間に水位が上がります。

水圧でドアが開きにくくなり、
電気系統の故障で窓を開けられなくなることもあります。

このような事故を防ぐ一番の方法は、
深さを確かめながら進むことではありません。

冠水するおそれのある場所を事前に知り、
水が見えたら入らずに引き返すことです。

ラボる君
「車なら少しくらいの水でも進めると思っていたよ」

防災すぐるパパ
「道路の入口が浅く見えても、一番低い場所は深いかもしれない。
 車からは水深も路面も分かりにくいんだ」

まどかママ
「大雨になる前に、低い道を通らない別の経路を決めておきたいわね」

結論|冠水路に入らないことが最大の脱出対策

大雨の日に覚えておきたい判断は、次の3つです。

  1. 大雨の予報が出たら、アンダーパスや低い道を通らない経路に変える
  2. 道路に水が広がっていたら、深さを試さず手前で引き返す
  3. 車が動かなくなったら、荷物より命を優先して早く車外へ出る

線状降水帯は、発達した雨雲が列になり、
ほぼ同じ場所で激しい雨を降らせ続ける現象です。

気象庁は、発生すると災害の危険性が急激に高まるとして、
半日前や直前の情報、キキクル、
自治体の避難情報を合わせて確認するよう呼びかけています。

発生情報が出てから車で移動するのでは遅い場合があります。

半日前予測や大雨予報の段階で、
予定の延期や早めの移動を考えましょう。

アンダーパスと坂のくぼ地は、なぜ冠水しやすい?

周囲の雨水が低い場所へ集まる

アンダーパスとは、
道路や鉄道などの下をくぐるため、周辺より低く造られた道路です。

坂を下ってから上る「すり鉢」のような形なので、
周囲から雨水が流れ込みます。

坂の途中のくぼ地、地下道の入口、
立体交差の低い部分も同じです。

川から離れた市街地でも、
下水道や排水路が雨を処理しきれない内水氾濫によって
道路が冠水します。

排水能力を超えると水位が急に上がる

普段は排水ポンプや側溝が水を流しています。

しかし、短時間に激しい雨が降ると排水が追いつきません。

落ち葉やごみで排水口が詰まったり、
停電などで設備が十分に動かなかったりすれば、
状況はさらに悪化します。

入口が浅く見えても、
中央部だけ深くなっていることがあります。

夜間は雨と光の反射で水面と道路の境目が分かりにくく、
深さを目で判断するのは危険です。

「前の車が通れた」は安全の証拠にならない

車種によって車高や吸気口の位置が違います。

また、数分の間にも水位は変わります。

前の車が通れたとしても、自分の車が同じように通れるとは限りません。

水が深くなると、エンジンが止まるだけでなく、
車体が浮いて流されたり、
ハンドルやブレーキが効きにくくなったりするおそれがあります。

車のドアが開けられなくなるのはなぜ?

車の外側に水がたまると、外からドアを押す力が大きくなります。

車内と車外の水位差が大きいほど、
いつもの力ではドアを開けにくくなります。

さらに、水につかって電気系統が故障すると、
パワーウインドーや集中ドアロックが動かなくなる可能性があります。

そのため、車が完全に止まってから考えるのではなく、
危険を感じた早い段階で窓を開け、
シートベルトを外して脱出することが重要です。

大雨になる前にしておきたい5つの準備

1.普段使う道の「低い場所」を確認する

通勤・通学、病院、買い物、家族の送迎に使う道を地図で見て、
次の場所を確認します。

  • 鉄道や道路の下を通るアンダーパス
  • 坂を下った先のくぼ地
  • 川沿い、用水路沿いの道路
  • 地下駐車場や地下道の入口
  • 過去に冠水した道路

国土交通省・国土地理院の「ハザードマップポータルサイト」では、
洪水や内水などのリスクを住所から確認できます。

自治体が公開している「道路冠水注意箇所」「冠水履歴」も調べましょう。

2.低い場所を通らない迂回路を2つ決める

いつもの道が使えないときに備え、
少し遠回りでも高い場所を通る経路を決めます。

1本だけでなく、
反対方向へ逃げる経路も用意しておくと安心です。

カーナビは道路の冠水状況をすべて把握しているとは限りません。

案内された道に水が見えたら、
ナビより現場の通行止めや自分の判断を優先してください。

3.気象情報と道路情報を早めに見る

出発直前だけでなく、前日や半日前から次を確認します。

  • 気象庁の線状降水帯に関する情報
  • 雨雲の動きと「キキクル」
  • 自治体の避難情報、防災メール・公式SNS
  • 道路管理者や日本道路交通情報センターの通行止め情報

大雨の危険が高い時間に、不要不急の運転をしないことも立派な防災行動です。

4.脱出用ハンマーを運転席から届く場所へ置く

自動車用の脱出用ハンマーは、
トランクではなく、
シートに座ったまま手が届く場所へ確実に固定します。

シートベルトカッター付きなら、
ベルトが外れない場合にも使えます。

ただし、車のガラスには種類があります。

一般的な脱出用ハンマーはフロントガラスではなく、
主に強化ガラス製の側面ガラスを割るためのものです。

車種によっては側面にも合わせガラスが使われ、
通常のハンマーでは割れにくい場合があります。

取扱説明書やメーカー情報で、
自分の車の割れる窓と使い方を事前に確認してください。

5.家族で「引き返す基準」を決める

家族全員で、次のような基準を共有します。

  • 道路に水が広がっていたら入らない
  • 通行止めの柵や係員の指示を従う
  • 水深が分からなければ引き返す
  • 大雨時は迎えに行くより、安全な場所で待つ選択もする
  • 車や荷物を失っても、取りに戻らない

運転中に冠水を見つけたときの判断

状況取るべき行動
道路の先に水が見える手前で止まり、安全を確認して引き返す
縁石や白線が見えない水深を判断できないため進入しない
前の車が進んでいる後を追わず、自分は別の道を選ぶ
警告灯・遮断機・バリケードがある絶対に越えない
水位が上がっている、流れがある車から離れ、安全な高い場所へ移動する
車が止まりそう、操作しにくい進み続けず、脱出できるうちに車外へ出る

Uターンが危険な道路では無理に転回せず、
安全な場所へ後退するなど、周囲の交通にも注意します。

迷ったら
「行けるか」ではなく、
「戻れるうちに戻る」
と考えましょう。

車が水につかり始めたときの脱出手順

冠水路へ入らないことが大前提ですが、
もし車が動かなくなったら、次の順で行動します。

  1. 落ち着いてシートベルトを外す
    外れなければ、脱出用ハンマー付属のカッターなどを使います。
    ⇩
  2. すぐに窓を開ける
    電気系統が動いているうちに、側面の窓を全開にします。
    ⇩
  3. ドアが開くうちに脱出する
    水位が低く、ドアを開けられるなら、早く車外へ出ます。
    子どもや支援が必要な人がいる場合は、大人が落ち着いて補助します。
    ⇩
  4. 窓が開かなければ、脱出用ハンマーで側面ガラスを割る
    製品の説明に従い、割れる種類の側面ガラスを狙います。
    フロントガラスは脱出用ハンマーで割る対象ではありません。
    ⇩
  5. 外へ出たら車から離れ、高い場所へ移動する
    荷物を取りに戻らず、
    流れのある水へむやみに入らないでください。
    安全な場所から119番へ連絡し、現在地と人数を伝えます。

やってはいけない行動

  • 冠水路へ入って深さを確かめる
  • 「SUVだから」「短い距離だから」と進む
  • 通行止めの柵を動かして進入する
  • 立ち往生しても車内で水が引くのを待つ
  • 車外へ出た後、荷物や車を取りに戻る
  • 水没後に自分でエンジンをかけ直す

水につかった車は、
見た目に問題がなくても電気系統の故障や火災のおそれがあります。

安全な場所からロードサービス、
販売店、保険会社などへ相談してください。

出発前1分チェックリスト

  • 線状降水帯、大雨警報、キキクルを確認した
  • 自治体の避難情報を確認した
  • アンダーパスを避ける道を選んだ
  • 通行止め・冠水情報を確認した
  • 脱出用ハンマーが手の届く場所にある
  • 家族に経路と到着予定を伝えた
  • 危険なら外出を延期する準備がある

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まとめ|車を守るより、引き返す判断で命を守ろう

アンダーパスや坂のくぼ地は、
短時間の大雨でも周囲の水が集まり、
急に深くなる危険な場所です。

車は水圧や電気系統の故障によって、
ドアや窓から脱出できなくなることがあります。

だからこそ、冠水してから対処するのではなく、
平常時に危険な道と迂回路を確認し、
大雨の日は早めに予定を変えることが大切です。

ラボる君
「水の深さを確かめに行かない。見えたら引き返すんだね」

防災すぐるパパ
「その判断が一番確実な脱出方法だよ。
車より命を優先しよう」

まどかママ
「今日のうちに、
家族で迂回路と脱出用ハンマーの場所を確認しましょう」

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