火山噴火とは?歴史から学ぶ火山災害の怖さと命を守るための基礎知識

火山噴火 火山噴火
火山噴火

日本には、私たちの暮らしのすぐ近くに多くの火山があります。

普段は雄大で美しい景色を見せてくれる火山ですが、
ひとたび噴火すると、噴石、火砕流、溶岩流、火山灰、火山ガスなどによって
大きな災害を引き起こすことがあります。

そして怖いのは、火山災害が「噴火した瞬間だけの災害」ではないことです。

大量の火山灰が積もった地域では、
その後の雨によって土石流が発生することもあります。

日本の歴史を振り返ってみても、
桜島、雲仙岳、浅間山、御嶽山など、火山の噴火によって
多くの命や暮らしが失われてきました。

こんにちは、「防災ラボる」のらぼる君です。

今回は、

「火山はなぜ噴火するの?」

「噴火すると何が起こるの?」

「過去にはどのような火山災害があったの?」

という疑問について、一緒に学んでいきましょう。

防災の第一歩は、災害を「知る」ことです。


火山とは?

火山とは、地下にあるマグマなどが地表や地表付近まで上昇し、
その活動によって形成された地形のことです。

地球の内部には非常に高温の場所があり、
地下で岩石の一部が溶けるなどしてマグマが生まれます。

そのマグマが地下から上昇し、
火口などから地表へ噴き出す現象が火山噴火です。

噴火と聞くと、
真っ赤な溶岩が山から流れてくる姿を想像するかもしれません。

しかし、実際の火山噴火では、それだけではありません。

火山灰や噴石が飛び出したり、
高温の火砕流が山を一気に駆け下りたりすることがあります。

つまり、

「火山噴火=溶岩」だけではない

ということを知っておくことが、
火山防災では非常に重要です。


火山はなぜ噴火するの?

地下深くにあるマグマには、
さまざまな火山ガス成分が含まれています。

マグマが地下から上昇して圧力が低下すると、
マグマに含まれていたガス成分が気泡となって膨張します。

こうしたマグマや火山ガスなどの動きによって地下の圧力が高まり、
地表へ噴出することで噴火が起こります。

ただし、すべての噴火が同じように起こるわけではありません。

比較的穏やかに溶岩が流れ出す場合もあれば、
大量の火山灰や噴石を伴う爆発的な噴火になる場合もあります。

火山によって特徴が異なるため、
自分の住んでいる地域や旅行・登山で訪れる地域に
どのような火山があるのかを知っておくことが大切です。


火山噴火によって起こる主な災害

火山が噴火すると、さまざまな災害が発生する可能性があります。

気象庁は主な火山現象として、
大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、
小さな噴石・火山灰、火山ガスなどを挙げています。

特に大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、
発生してから避難するまでの時間的余裕がほとんどないため、
事前避難が重要とされています。

1.噴石 (ふんせき)

噴火によって、火口から岩石が勢いよく飛ばされることがあります。

これが噴石です。

大きな噴石は風の影響をほとんど受けず、弾道を描いて飛んできます。

気象庁では、おおむね20~30cm以上のものを「大きな噴石」としています。

火口周辺では特に危険性が高く、
噴火してから逃げようとしても間に合わない可能性があります。

だからこそ、噴火警報や入山規制を守ることが重要なのです。


2.火砕流 (かさいりゅう)

火山災害の中でも特に恐ろしいものの一つが火砕流です。

火砕流とは、噴火によって放出された火山灰や岩石などと
高温の火山ガスが混ざり合い、地表を高速で流れ下る現象です。

気象庁によると、
火砕流は
時速100km以上、
温度が数百℃に
達することもあります。

発生してから逃げるのは非常に困難です。

「噴火してから避難すればいい」

では遅い場合があるのです。

火砕流が想定される地域では、
噴火警報などを確認し、
危険が迫る前に避難することが命を守る基本になります。


3.溶岩流 (ようがんりゅう)

噴火によって地表に出てきた高温の溶岩が流れ下る現象が溶岩流です。

溶岩流は家屋や道路、農地などを覆い、建物を焼失させたり、
地域を長期間使用できなくしたりする可能性があります。

一方、火砕流と比較すると流れる速度が遅い場合が多く、
状況によっては徒歩で避難できることもあります。

ただし、

「遅いから安全」ではありません。

行政や気象庁から避難情報が出た場合には、
早めに行動することが大切です。


4.火山灰 (かざんばい)

火山灰は、火山噴火によって放出される非常に細かな火山噴出物です。

「灰」という名前ですが、木や紙が燃えた灰とは違います。

火山灰は風に乗って遠くまで運ばれるため、
火山から離れた地域でも影響を受ける可能性があります。

大量の降灰が起こると、

  • 視界が悪くなる
  • 道路が滑りやすくなる
  • 鉄道や航空機など交通機関に影響する
  • 農作物が被害を受ける
  • 建物や機械設備に影響する
  • 呼吸器や目などに影響する

など、社会生活にも大きな支障が生じます。

気象庁も、
火山灰は農作物、交通機関、建造物など広範囲に影響を与えるとしています。


5.火山ガス

火山からは、水蒸気だけでなく、二酸化硫黄や硫化水素、
二酸化炭素などの火山ガスが放出されることがあります。

濃度によっては人体に重大な影響を与えることがあります。

目に見えない場合もあるため、

「噴火していないから大丈夫」

と判断するのは危険です。

立入規制が行われている場所には絶対に入らないようにしましょう。


6.噴火後の土石流にも注意

火山災害で忘れてはいけないのが二次災害です。

噴火によって大量の火山灰や噴出物が
山の斜面に積もったところへ大雨が降ると、
それらが雨水とともに一気に流れ下り、
土石流が発生することがあります。

気象庁も、火山灰などが堆積した場所では、
大雨によって土石流や泥流が発生しやすくなると注意を呼びかけています。

噴火がおさまったからといって、

「もう災害は終わった」

とは限らないのです。


日本の歴史に残る大きな火山災害

日本では昔から多くの火山噴火が発生してきました。

過去の災害を知ることは、未来の災害から命を守るための大切な防災学習になります。

1783年 浅間山の噴火

1783年の浅間山の噴火では、火砕流や土石なだれなどが発生し、河川の洪水も引き起こしました。

気象庁の資料では、1,151人の犠牲者が記録されています。

火山災害が火山の周辺だけで終わらず、河川などを通じて離れた地域へ影響することを示す歴史的な災害です。


1792年 雲仙岳「島原大変肥後迷惑」

1792年の雲仙岳では、地震と眉山の大規模な崩壊が発生しました。

大量の土砂が海へ流れ込んだことで津波が発生し、島原半島だけでなく対岸の熊本側にも大きな被害をもたらしました。

「島原大変肥後迷惑」と呼ばれるこの災害では、約15,000人もの犠牲者が出たとされています。

火山災害から津波が発生することがあるという、非常に重要な歴史の教訓です。


鹿児島の歴史に残る「桜島大正噴火」

鹿児島を代表する火山といえば桜島です。

桜島は美しい景観を見せてくれる一方、歴史上何度も大きな噴火を繰り返してきました。

特に有名なのが、1914年(大正3年)1月12日に始まった大正噴火です。

内閣府は桜島大正噴火を、日本が20世紀に経験した最大の火山災害としています。

噴火によって大量の溶岩が流れ出し、桜島と大隅半島の間にあった瀬戸海峡が溶岩によって埋まりました。

それまで「島」だった桜島は、この噴火によって大隅半島と陸続きになったのです。

現在の桜島の姿そのものが、巨大な火山噴火の歴史を伝えているともいえるでしょう。


火山災害の歴史から私たちは何を学ぶべきか

過去の火山災害を振り返ると、一つの重要なことが見えてきます。

それは、

「噴火してから考えるのでは遅い場合がある」

ということです。

特に火砕流や大きな噴石などは、発生してから避難しようとしても時間的な余裕がありません。

だから火山防災では、

「逃げる準備をしておくこと」

が非常に重要になります。


火山噴火から命を守るために知っておきたいこと

ハザードマップを確認する

火山周辺の自治体では、
火山ハザードマップが作成されている地域があります。

東京都の火山ハザードマップ

桜島火山ハザードマップ

雲仙岳登山道防災マップ

自宅や職場、学校、旅行先などが、

「火砕流の危険区域なのか」

「噴石の影響を受ける可能性があるのか」

「どこへ避難すればよいのか」

を事前に確認しておきましょう。


噴火警報を確認する

気象庁は、
生命に危険を及ぼす火山現象が予想される場合などに噴火警報を発表します。

噴火警戒レベルが運用されている火山では、
レベルに応じて警戒が必要な範囲や防災行動が示されます。

火山の近くに住んでいる人はもちろん、
登山や旅行で火山地域へ行く場合にも、
事前に火山情報を確認する習慣をつけましょう。


家族で避難方法を決めておく

災害が起きたとき、家族全員が一緒にいるとは限りません。

お父さんは会社。

お母さんは買い物。

子どもは学校。

そんなときに火山噴火が発生する可能性もあります。

だからこそ、

「どこへ避難するのか」

「連絡が取れない場合はどうするのか」

「どこで待ち合わせるのか」

を家族で話し合っておくことが大切です。


「まさか噴火するとは思わなかった」では遅い

地震、大雨、台風、津波、そして火山噴火。

災害には共通することがあります。

それは、

いつ自分や家族が災害に巻き込まれるのか分からない

ということです。

昨日まで静かだった山。

毎日見ていた山。

観光で訪れた美しい山。

その火山が絶対に安全だとは言い切れません。

だから必要なのは、必要以上に火山を怖がることではなく、

火山を知り、災害を知り、正しく備えること。

これが「防災ラボる」で一番伝えたいことです。


まとめ|火山の歴史を知ることが未来の命を守る

火山は日本の美しい景観や温泉など、
私たちにさまざまな恵みを与えてくれます。

しかし、その一方で、
噴火によって大きな災害を引き起こすことがあります。

過去には、浅間山、雲仙岳、桜島をはじめ、
多くの火山で大きな災害が発生してきました。

その歴史を、

「昔起きた災害」

として終わらせてはいけません。

過去の災害を知る。

自分の地域の危険を知る。

避難場所を知る。

そして家族で備える。

防災は、この小さな行動から始まります。

火山の歴史から学んだ教訓を、
次の災害で命を守るための知識に変えていきましょう。

「知っていたから避難できた」

「備えていたから家族を守れた」

そんな人を一人でも増やすことが、「防災ラボる」の願いです。

次は、火山噴火が起きたときに実際にどう行動すればよいのか、

「火山が噴火したらどうする?噴石・火山灰・火砕流から命を守る避難方法」

について、らぼる君と一緒に学んでいきましょう。

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